ここでは系外惑星のデータを処理することで見えてくるさまざまな特徴を示します。
Scientific Americanの2015年3月号(March 2015)に系外惑星系の持つ惑星数とそれらの惑星の離心率との関係を示した記事が載っていました。
その記事では惑星をたくさん持つ惑星系のほうが、惑星の離心率が小さくなる、すなわち円軌道に近い軌道を持つ惑星が多くなる傾向が見られる事が示されています。
そこでThe Extrasolar Planets EncyclopaediaのCatalogの系外惑星データを使って惑星系の惑星数とその離心率の関係を調べてみました。
惑星数 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
782 | 134 | 50 | 15 | 4 | 7 | 1 | 1 |
左の図がその結果です。
横軸が惑星系の持つ惑星数で、縦軸が離心率になっています。
例えば惑星数が2の惑星系があり、その二つの惑星の離心率が0.1と0.5の場合、横軸が2で縦軸が0.1と0.5のところに印を打つという風にして作成したグラフになっています。
確かに多くの惑星を持つ惑星系のほうが、離心率が小さくなる傾向が見られます。
ただし多数の惑星を持つ惑星系の方が、数が少ないので、そのためそう見えるという可能性も(少ない可能性ですが)ないわけではありません。
2017年12月18日現在のデータでグラフを作り直しましたが、傾向は依然と変わっていません。なお惑星数8の星系は一つだけで、しかも軌道離心率のデータがあるものは一つだけで他の7惑星のデータがないので、意味がないと考えられます。
図の下の表は、このグラフを作成したデータで惑星数とその数の惑星を持つ惑星系の個数を表したものです。
このグラフの作成に使用したデータをfileexp.zipに置いてあります。
解凍すると3つのファイルが、出来ますがefnumeccrel.csvが「惑星数と離心率」グラフの作成に使ったものです。
データの見方は[ファイル説明.txt]に書いてあります。
離心率と惑星系の惑星数と同じデータを使って惑星の質量分布を出してみました。
左図がその結果です。
横軸の1のところには地球の2倍未満の質量の惑星、2のところには2倍以上20倍未満、3のところには20倍から100倍未満、4のところには100倍以上600倍未満、5のところには600倍以上3000倍未満、そして6のところには3000倍以上の質量を持つ惑星の数を棒グラフにして表示しています。
1には42個、2には288個、3には172個、4には517個、5には375個、そして6には186個の惑星があります。
ちなみにスーパーアースは地球の数倍から10倍程度の質量を持つ惑星と考えられるので、このグラフの横軸の2に入ります。
また太陽系の惑星では、天王星は地球の14.5倍、海王星は約17倍、土星は95倍、木星は約318倍の質量を持っています。
ですから、このグラフで横軸の6のところは木星質量の10倍程度以上の巨大惑星に対応しています。
2017年12月18日現在のデータでグラフを作り直しましたが、傾向は依然と変わっておらず地球質量の100倍以上600倍未満のところにピークが来ています。
このグラフの作成に使用したデータをfileexp.zipに置いてあります。
解凍すると3つのファイルが、出来ますが[massdsp.csv]が「惑星質量分布」グラフの作成に使ったものです。
データの見方は[ファイル説明.txt]に書いてあります。