2016年10月7日
[生物学]
[生物学]
光合成と呼吸
\[n\,\rm CO_2\,+\,2\it n\,\rm H_2O\overset{光エネルギー}{\underset{エネルギー(ATP,熱)}{\rightleftarrows}} (CH_2O)\it _n \,\rm +\,\it n\,\rm H_2O\,+\,\it n\,\rm O_2\]
光合成は,緑色植物や光合成細菌といった独立栄養生物が行う代謝のひとつである.上の式は,緑色植物の光合成反応を示しており,炭素を還元するための電子は水から供給されている.光合成には,その反応経路の一部分に光エネルギーが必要であり,そのエネルギーの源は太陽である.つまり,光合成とは太陽のエネルギーを炭水化物(CH2O)nの形で貯蔵する反応といえる.
一方,呼吸は光合成とは反対向きの反応で,炭水化物の形で貯蔵されたエネルギーを炭水化物を分解することで取り出す過程といえる.我々人間のような従属栄養生物は,植物が捕まえた太陽エネルギーを炭水化物の形でもらって,それを分解して使いやすいATP(アデノシン三リン酸)の形にしてから,それをまた分解してエネルギーとしている.もちろん,エネルギー効率は100%ではないので,使われなかった部分は排熱されるが,寒い季節は体を動かして排熱するのも悪くない.
こうしてみると,我々は太陽に生かされているような気がして,古代文明に太陽信仰が多くみられるのもわかる気がする.太陽信仰が人々の中に生まれてくるのは,農業をしていると日当たりの良い悪いが収量に直結するから,太陽のエネルギーで生かされているという気持ちが生まれやすいからかもしれない.分業化が進んで,農業に携わる人が少ない現代社会では,日当たりと飯が食えることが直結しているという気持ちは実感できないから,太陽信仰が少なくなるのもこれまた自然かもしれない.
一方,呼吸は光合成とは反対向きの反応で,炭水化物の形で貯蔵されたエネルギーを炭水化物を分解することで取り出す過程といえる.我々人間のような従属栄養生物は,植物が捕まえた太陽エネルギーを炭水化物の形でもらって,それを分解して使いやすいATP(アデノシン三リン酸)の形にしてから,それをまた分解してエネルギーとしている.もちろん,エネルギー効率は100%ではないので,使われなかった部分は排熱されるが,寒い季節は体を動かして排熱するのも悪くない.
こうしてみると,我々は太陽に生かされているような気がして,古代文明に太陽信仰が多くみられるのもわかる気がする.太陽信仰が人々の中に生まれてくるのは,農業をしていると日当たりの良い悪いが収量に直結するから,太陽のエネルギーで生かされているという気持ちが生まれやすいからかもしれない.分業化が進んで,農業に携わる人が少ない現代社会では,日当たりと飯が食えることが直結しているという気持ちは実感できないから,太陽信仰が少なくなるのもこれまた自然かもしれない.