『別離(わかれ)』

  季節の移ろいは、無情にも貴方(あんた)と過ごした麗しい7年の歳月を忘却の彼方に追いやった。
 過ぎ去った日々を手繰り寄せようとしても、時間(とき)の流れには逆らえず、宙を掴むだけ。
 帰りたい、戻りたい。あの頃に貴方(あんた)。
 逢えるのは、一夜の夢の中。もう一度、逢いたい、一目だけでいい。
 寂しい、悲しい、切ない。愛おしい貴方(あんた)。
 頬を濡らす涙が止まらない。
 別離(わかれ)が、これほど辛く、苦しものとは思わなかった。
 これも惚れた女の定めなのか。

    『翼があったなら』

  もしも、僕に翼があったなら、上昇気流に乗って大空を羽ばたき、
 君の住む街へ飛んで往こう。
 山を越え、海を渡り、遥か最果ての地であろうとも、僕は諦めはしない。
 たとえ、風雨にさらされ、翼がもげそうになろうとも。
 君にもう一度、巡り会えるまで。
 菜の花畑に引き寄せられる蝶のように、
 甘いジャスミンの香りを放つ君を探し続ける。
 あぁ、僕の恋人よ。
 あぁ、僕の愛おしい女性(ひと)よ。
 今、何処に。
   
    『生と死』
   
 人は、なぜ、生きるのか。
 いつの日か、死ぬという最期を背負いながらも。
 それは、苦楽を共にできる愛する掛け替えのない人がいるから。
 いや、邪念まみれの、この世に未練があるから。
 それとも、死の恐怖にかられ、断ち切れぬ生への執念なのか。
     
     『人生とは』


 人生の価値は、長生きしたか、早死にしたかで決まる。
 それよりも、むしろその生き方が重要である。
 何のために生きたか、である。
 それは世間が評価を下す。



     『一度の人生』  

 生きるも、死ぬも人生。
 泣いたり、笑ったり、
 喜んだり、悲しんだり、
 これも、また人生。
 人生なんて、しょせん浮き世のしがらみ。
 一度だけの人生。
 病に伏せようとも、命ある限り人生は続く。