和釘について

 飛鳥時代から明治時代初頭までは、和釘が各種建築物に用いられていました。法隆寺の金堂で使用された釘が日本で使用確認された中の一番古い釘です。神社・仏閣・城など古建築物の修理・復元には和釘が使われます。
 和釘とは、洋釘の丸い軸と違い軸の部分全体が角錐状で一本一本手で叩いて作られる(鍛造)為、微妙な凸凹があります。表面積が大きく食いつきが良いと言われます。頭(頂部)の形によって巻頭、階折というように種類が分かれます。
 鉄の材料は、一般的に軟鉄を使います。鋼(はがね)に比べ軟鉄の方が曲がりやすいですが、何度も叩き鍛造することによって不純物が取れ結晶が密になり耐久性が高くなります。
 作るには手作業の為、長年の勘と技術が必要となってきます。
 作り方は、鉄線を火(燃料はコークス)で熱し、金槌(つち)で1本1本叩き、鍛造します。その為コストと時間がかかります。しかし耐用年数は、洋釘に比べて長く表面は錆びていても内部はなかなか腐食しません。
 材料の温度が高くなり、黄色、オレンジ色になった時叩き、形を整えます(写真@、A)。まず先端を尖らせ(写真B)、次に頭の形を作ります。『巻頭』の場合、軸の根元(頭の部分)を薄く平らにして(写真C、D)、丸めるのは平らに伸ばした部分だけをまず下に叩き曲げ裏返して下から手前の方へ金槌(つち)であげるようにして巻いていきます(写真E)。
 
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Last updated: 2006/12/12
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