値より質

 最近ユニクロが低価格をやめて質を目指すと、言い始めました。少し前に私の書いた文章でも読んだのでしょうか。そんなことあるはずありませんね。さて、この価格よりも質を目指す、これは良い傾向だと思います。安くして質を落として良いか、というとそれはいけません。ある程度は質がないと使い物にならないからです。価格を安くしてそれに質が付いていって良いかといえば、明らかに良いわけありません。では、どうすれば良いかというと、質を目指せば良かったわけですね。安さにはどれだけ人の手が掛からないか、ということにかかっていました。質を目指すにはどうするか。それは、どれだけ人の手をかけるか、ではありません。どれだけ人に手をかけてもらうか、です。

 人に手をかけてもらうというのは、つまり、一つの商品に対して複数の会社が付いている状態、ということです。一つの会社にどれだけ優秀な人材がいても、やはり人は人、出来ないことはいくらかあるはずです。それを埋めるのは社内の人間であり、また、社外の人間なのです。また、一つの会社だと経営などの要因も関係して新商品の開発に影響が出ます。例えば予算が取れない、などですが、その予算の取れない中で新商品をどうするか。それは他社の技術を上手く活かしながら自社の技術を前面に出すのです。すでにある技術は開発するのに費用はそれほどかかりませんから、1からの開発よりもぐっと簡単に出来るはずです。余った予算を新しい自社技術の開発に回します。これを複数社で繰り返せばその商品全体の質が向上することにつながるでしょう。余談ですが、技術者、開発者の中には、自分の開発したものにエラーがあるとは思っていない人がいます。なので、その人がその開発したものをテストすると、それが開発者の想定したとおりの操作で、開発者の想定したとおりの動作をすることのみの確認にしかならない場合があります。これは多くのテスターがテストすることで片付けることが出来るはずですが、やはり開発時点でエラーの無いように細心の注意を計る必要があるでしょう。

 さて、値より質などと言っている私ですが、実際には値や質よりもそのバランスをみて商品を購入しています。例えばパソコンの場合、安いものは、本当に安く、数万円程度で手に入れることが出来ます。逆に高いものは数十万円から百数十万円と、とてもパソコンとは思えないような価格のものまで様々です。高いものはパソコンとは違ってワークステーションと呼ばれたりもしますが、3Dゲームに特化したハイエンドなマシンは本当に数十万円したりします。私が新しいパソコンを買うときに、数万円の安いパソコンを選ぶかと聞かれると、私は選びません。それは用途にもよりますが、WindowsXPを快適に動作させるためには力不足に感じます。まだまだ現行のパソコンはWindows機が多いですからね。逆にハイエンドのマシンはどうかと言うと、これは私の感覚ですが、高いと感じます。数ヶ月後にはそのハイエンドのマシンと同等かそれ以上のマシンが今のミドルエンドの価格で手に入ると考えると少し待ってから買いたくなりますが、実はそんなことをしているといつまで経っても購入できないという難点もあります。そんなこともあって私はミドルエンドの少し上のパソコンを選びます。・・・私のことはどうでも良いですね。

 ・・・結局は買う人がどう思う買ってことですよ。この商品は超すげー、超かっこいいとか思わせればそれで勝ちなわけですよ。そうするための手段を私は持ってませんけどね。今まではその手段は安さだったわけです。じゃあ、これからはどうするのか。それはそう、自社で開発するんです。それが、巡りに巡って自社に逆輸入されたときに、その方法はさらに上を目指したものに変わっていること間違いなし。試してミソ。

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