0点満点の評価
ここ数年、ディスカウントストアと呼べる店が世間に多く増えた。このディスカウントという言葉には割引という意味があり、つまりこれは割引屋である。その名の通りこのディスカウントストアにはスーパーや電化製品を専門に扱っている店よりも、遙かにまでは行かないにしろ、商品がかなり安くで売られている。今を客として生きる人にとってはうれしい限りではあるが、将来の商業を担う者達に取っては些か問題があるのでは無いか、と考えられる。
ディスカウントストアが増え、価格競争が限界まで来ている時、すべての店で同じ商品に対して等しい価格が適用されることが大いに考えられる、というよりむしろ、適用されている。差がない状態である。これほど差がないとこの価格より僅かにでも高い価格を付けると、購買者はかなり減るのである。これは100円均一ショップ、いわゆる百均、が増えてから、さらに顕著になってきた。
例えば大学ノート。この大学ノートという物は大学の講義を筆録するために考え出された物なので大学ノートと呼ばれるのだが、昔は文房具屋で150円ほどで売られていた。しかし、今は100円である。これは百均の影響が大きいのである。大学ノートが100円なのは百均が百均たる所以であるが、登場したそのときは強いインパクトがあり、猛威を振るった。しかし、周りの店のほとんどが100円で売っている今では、そのインパクトは皆無であり、この分野はすでに終わっている状態にも見える。安さには目に見えて限界がある。今の状態では限界まで安くして、やっと0点なのである。日本を内側から沈めないためには、この状態をどうにかする必要がある。
そこで考えたのが購買者の目を「価格」から「質」へとそらすと言うことだ。そんなことが可能かと問うと、今の日本では実は出来てしまうのでは、などと考えている。何しろほとんどすべての人が隣の人の答えを復唱するのである。少しのインパクトで有名になった人の意見を鵜呑みにし、実行する。テレビで言われていた、雑誌に書かれていた、それがすべてである。こんなことだから、ごちゃごちゃしているうちに、国会でどうしようもないような法案が強行採決されてしまうのであるが、これは別の話である。
さて、方法としては至ってシンプルである。キムタクが言うのである。
「やっぱ、これからは質っすよね」
ただし、小泉さんは言ってはいけない。これは影響力の差である。
新聞に嘘でも調査結果を載せる。これは問題ありだろうが、信じる人も多いだろう。
「低価格はもう伸びない→Yes 79% No 16% 無回答 5%」
そして雑誌で書き立てるのである。見出しはこうだ。
「低価格の時代は終わり、これからは質!?」
これだけで日本全体の30%以上が騙される。騙されるという表現はどうかと思うが、まあここではこうしておく。なんだ少ないじゃないかとお思いだろう。しかし、今の日本ではすべての人が隣の人の答えを復唱するのである。このまま100%突破である。と、まぁ勝手な考えで極端な仮定ではあるが、全くないこともないんじゃないか、などと考えている。
そういえば、年金が足りないなどと嘆いている某国があったが、予算の内訳を見てみると、どう考えても無駄遣いとしか思えないような項目も相当ある。そんなしわは寄せるだけ無駄なのである。しわを寄せる前に、まず、手元をどうにかしてみてはいかがな物か。自分たちの給料などはすぐ手元にあって削る余地はどこよりもあるのでは無いだろうか。そのあたりを考えられたい。そもそも足りないのなら渡さなければいいのだが、それはさすがに厳しいところがあるだろう。なんなら今まで集めてきた分をすべて返して老後のお金は自分で集めよ、としたほうが平和にことが進みそうだ。しかし、年金の為のお金を別のことに使っているその某国には無理な相談であろう。0点にも満たないような政策である。