五ヶ所湾の方言
表題でもある『なとな』も「なんですか」とか「本当ですか」とかいう言い回しです。
五ヶ所湾岸ではその浦々で独特の言葉遣いや言い回しが存在します。地元の人たちを、会誌『はまぼう』で取り上げる とき、なるべくなら土地の風情を伝えようとそのままの言葉を紙面に掲載するよう心がけています。 そんな方言その他の湾内方言ページへリンクやはなし言葉を集めてみました。

【あばばい】 眩しい

【あんなー】 こんにちは、誰かいませんか

【いうたん】 といいました

【いたる】 行ってあげる

【うの】 あなた(神原地区)

【えらい】 たいへん

【おいない】【こんかな】 来なさい

【おおきんな】 ありがとう

【おくんない】 ください

【おとし】 こわい、恐ろしい、びっくりした

【かいだり】 疲れた

【がんど】 クワガタムシ

【しぇんしぇい】 先生(宿田曽地区)

【しゃあない】 しかたがない

【すごう】 凄く

【せんかな】 しなさい

【てんぷな】 たくさんの、もの凄い

【なとしょう】 どうしよう

【はこ】 トイレ

【ほいで】【ほんで】 そして、それで

【ほうかな】 そうですか

【ほんた】 あなた(神原地区)

【ほんなら】 それならば

【ほやけど】 しかし

【やるわな】【やろん】 あげましょう

【よけ】【ようけ】【よれ】 たくさん

【わいら】 あなたたち

【わしら】 わたしたち

【わからん】 わからない

【】

【】

【】


【例文】 【訳文】
「あんなー、これえ、だーれもおらへんのかな。」 「こんにちは、こんにちは、誰もいらっしゃいませんか。」
「なんやな、あんたかな。どこいとたんやな。」 「誰かと思ったら、あなたですか。どこに行っていたんですか。」
「ええひいやもんで山、いとたんやがな。」 「いい天気なので山に行っていました。」
「ほうかな、なにしにいとたんやな。」 「そうですか。何をする為に行っていたんですか。」
「学校のしぇんしぇいが、『がんどほしよってとてきて』て、いうもんで、『わしとこの山におる』にいうたら 『とてきてさー』いうもんで、しゃあないもんで山いてきたんさ。うえみとるとてんぷにあばばいし、 なれへんもんで、すごうかいだりかったわ。」 「学校の先生が『クワガタ虫が欲しいから捕まえて下さい。』というので『私の山にいる』と答えたら、『捕まえてきて下さい。』 と言うので、しかたがないので山へ行ってきました。上を見ると眩しいし、慣れないもので凄く疲れました。」
「ほんでとれたんかな。」 「それで採れましたか。」
「ほれがさー、昔よけおったのに、まあーおらへんな。なとしょうかいねー思たら、ほんたの山の木に ようさんおってな、とてきたんやけど。もうても、ええかいのー。」 「それがですね、昔はたくさんいたのに、今はいませんね。どうしようと思っていたら、あなたの山の木にたくさんいたので採ってきたのだけれど 貰ってもいいですか。」
「ええわな、うのがとてきたもん、うののもんや。」 「いいですよ、あなたが採ってきたものはあなたのものです。」
「ほうかな、よかったわ、かいだりおもいしたのに断られたら、なとしょう思たわ。おおきんな。」 「そうですか、良かったです。疲れる思いをしたのに断られたら、どうしようと思いました。ありがとうございます。」
「ほいでよけおったかな。」 「それで沢山いましたか。」
「おった、よれや。やーか。」 「いました、いました。あげましょうか。」
「おっきいやろ。」 「大きいでしょう。」
「おとしゃー、よけとったな。これくれんかな。」 「ああ吃驚した。沢山採りましたね。これ戴けませんか。」
「なとしょう、ほれはしぇんしぇいにやろおもたんやけど・・・。ほやけどしゃあない、やるわな。」 「どうしよう。これは先生にあげようと思ったのですが・・・。だけど仕方がない、差し上げます。」
「おおきんな。」 「ありがとう。」