野口雨情の詩碑

雨情の作風は「土の詩人」と言われるように、それぞれの土地の素朴な情緒を詠いあげたものが多いようです。五ヶ所浦『二葉旅館』に宿をとった雨情は、景色を見渡せる部屋で心に浮かぶままを『五ヶ所小唄』にしたといわれています。その足跡は現在の刻み込まれた十三基の詩碑で五ヶ所湾岸に辿ることができます。
【礫浦】
礫台場の
名残の松は
思や幾年
経つのやら
【相賀浦】
波にぬれぬれ
きみ網曳いて
女ながらも
夜を明かす
【船越】
空の雲さへ
龍仙岳に
夜は来て寝て
朝帰る
【内瀬】
空の月さへ
内瀬の湾の
浜の小舟の
中に照る
【宿浦】
葛島なら
廻れば一里
海女の貝とり
舟で見る
【田曽浦】
三崎止
尼崎かけて
岩に散るのは
浪の華
【五ヶ所浦・文化会館】
伊勢の五ヶ所は
真珠の港
波のしずくも
珠となる
【五ヶ所浦・愛洲の里】
ここは五ヶ所
愛洲の城址
聞くもなつかし
物語り
【切原】
山にひびいて
白滝さへも
水は砕けて
花と咲く
【切原剣峠】
神路山越え
また来ておくれ
乙女椿の
咲く頃に
【伊勢路・瀬戸橋】
穂原瀬戸渓
つつじが咲いて
鮎は若鮎
瀬をのぼる
【中津浜浦】
月の出頃か
御所島あたり
啼いて渡るは
磯千鳥
【神津佐】
梨の花見りや
神原恋し
こひし神原
梨どころ

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