伊勢古道のご紹介

上古、熊野詣でをしたひとびとは、熊野から五ヶ所浦まではるばる海を渡り、剣峠を越えて伊勢神宮にお参りしたそうです。また、この道は五ヶ所の海の幸、山の幸を伊勢に運ぶ大事な商いの道でもありました。
戦前は、峠に茶店もあり、人々が熊野灘をのぞみながら旅の疲れを取ったそうです。それらの旅人のなかには、民俗学者の柳田国男や折口信夫、俳人の中村汀女、山口誓子、作家の佐多稲子、作詞家の野口雨情などがいます。
剣峠頂上から伊勢神宮内宮にいたる約14キロメートルの道程は、太古の原生林の面影を残す神宮林を抜ける、なだらかな下り道。その大半を、清流五十鈴川に沿って歩くすがすがしい道です。

木洩れ日を浴びながら、つづら折れの道を辿ってみて下さい。
鳥の囀り、木々のざわめき、せせらぎの音が、素晴らしい効果音になります。
 
原生林を抜けると、田園風景や民家が点在し、懐かしい日本の風景を見ることができます。途中のふたつの湧き水も、伊勢古道ウォーキングの楽しみのひとつです。
古道の終点は、伊勢神宮内宮(ないくう)です。「お伊勢さん」と親しまれ、全国から多数の参拝の方々がいらっしゃいます。鬱蒼とした杉木立の参道を抜けて仰ぎ見る神殿は、なぜかしら ひとを敬虔な気持ちに誘います。
二十年に一度のご遷宮も間近に迫り、これから伊勢では様々なご遷宮の行事が行われていきます。
神宮に参拝したあとは、その門前町である「おはらい町」へ。伊勢地方独特の「切妻・妻入り」の家並みは、江戸の昔を彷彿とさせます。
伊勢志摩の特産品をお土産に買うもよし、またこの地方の味を楽しむのもよし、古道ウォーキングで疲れた体を、ほぐしてください。

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