発句「二十歳(はたち)まで飲めぬと知りつつ飲む酒は」光源院
2「味判らずも美味いと思う」具顕
3「手にのせた盃底に映りしは」織田有楽斎
4「今日の幸福 明日の後悔」天陽
5「二人をば縁に結びし盃は」河野通明
6「永久に結ぶ絆とならむ」丹波惟任
7「松よりも、いや栄願う、杯に」具合悪佐守
8「可憐な梅の花一片」畝源三郎 
9「花見をば先に見つつも雪見酒」河野通明 
10「仕事に追われ吾れ今呑めぬ」咲庵じろう

11「云ひつつも合間を縫って手酌酒」河内判官
12「注ぐ手を止めて月を眺める」具顕
13「杯の水面に映る夜半の月」丹波
14「乾せば消えゆき、ものをこそ思へ」幻斎(あまのじゃく)

15「人知れぬ明日をば宿す静寂(しじま)かな」畝

16「花に酔うたかこの夢見月」具合

17「花の舞う川原に立ちて水面見る」刀用軒秋嶽

18「流るる杯君に届けと」河野

19「時は今青葉茂れる五月かな」具合

20「七たび生まれてなお呑みつづける」河内

21「憂き事も楽しきことも杯に」具合

22「飲む名目は万事なるかな」畝

23「ほろ酔いに浴衣のうなじ色っぽく」北畠具顕
24「視線をはずし、花火酒かな」河野通明
25「大輪の花火を愛でて酒に酔い」味舌政宗
26「帰り道にて人ごみに酔う」有馬会
27「ヒガンバナ 雨に打たれて 頭垂れ」北畠具顕
28「うらぶる姿何を思うぞ」畝源三郎
29「川べりに 浮かぶ紅葉を 目で追ひし」城宝碧水
30「いずこが終ぞ 老いしわくらば」百合若大臣  
31「終と知り、散りても綾に、色添えし」具合 悪佐守  

32「夢見の後の 濡らす枕は」百合若大臣
33「夢と識り夢と消えにし彼の人の」畝源三郎

34「面影慕いて夜道を進む」北畠具顕
35「静かに舞い落ちるか花の雨」はなこはは
36「霞む灯(ひ)映す白き紫陽花」畝源三郎