第1章「徒然」

  5.09北畠具教首塚に参詣して詠める

「不智斎の墓の 御前にぬかづいて 後世の人らの 想い伝える」刀用軒秋嶽

5.11塩沢兼人の訃報に接し詠める

「名優の 永久の旅路に 涙雨降らせて 道をふさがんとぞ思う」刀用軒秋嶽

5.12阪神、巨人に圧勝の新聞を見たとき詠める

「それ見たか 大砲だけでは 虎死なず」         刀用軒秋嶽

5.15小渕前首相の訃報に接し

「己が死を 選挙の道具になされつつ 名凡人も黄泉へ旅立つ」刀用軒秋嶽

5.25小学生の相手をして

「ガキンチョに「好きな人は?」と質されて 答えに困り「今はおらん」と」刀用軒秋嶽

5.26いろいろな人と出会えて

「顔も見ぬ声も知らない人たちの言葉支えに我が御所は立つ」刀用軒秋嶽

6.1

「女子高生 服の薄さに付き合って 頭の中も薄くなりゆく」

「燃えぬ火に飛び込む虫は 我が身かな」

「文字で見る貴女(きみ)の言葉に惑わされ 遠い夜明けをただ一人待つ」

「『神の国』目指す宰相解散す 行き着く先は天か地獄か」

6・6恩人の訃報に接し

「10日もの戦いに負け天に行く 助けにならぬ我が身をうらむ」  刀用軒秋嶽

6.12

「人としてならぬ恋路に踏み出さん イヤいかんぞと止める我あり」

「梅雨の中一人見上げる曇り空 我が心さへこうは曇らじ」

「加害者の権利となえる世の大人 被害者の事一かけもなし」

「口々に理想となえる7党首 現実にする人一人も居らず」

「君の名を呼べど応えぬ梅雨の空 雲から差す日が君の答えか」

6.29短歌やっとこ

「代議士が赤絨毯を踏む時は 有権者(ひと)の心を踏みにじる時」

「戦いに敗れ比例に救われる 小選挙区をする意味はなし」

7.12

「室内であがる花火をただ眺む 火花と煙に我が身包まれ」

「見つめても人の心は壁の中  覗きも出来ずただ歯噛みする」刀用軒秋嶽

7.18

「潮の音にまぎれて届く花火の香 飛び散る火花夜空を染める」

「『愛してる』その一言の言えぬまま 煙草くゆらせ空を眺める」刀用軒秋嶽

7.31七月ももう終り

「台風の煽りを受けて窓が鳴り」

「洛中に進む葉月の初頭かな 豊太閤の遺蹟訪ねん」

「地がゆれて山も怒りの炎噴く 人の驕りに天耐えかねて」

8.7先日の上洛総括

「坂道を汗かき登る三千院 暑さに耐えかね番傘を買い」

「木漏れ陽のさして眩しき川床に 下を流れるせせらぎ涼し」

「本能寺訪ねて参る総見廟 亡き怨敵に両手合わせる」

「目の前に狭しと並ぶ京料理 淡白な味胃には優しき」

「現れた芸妓(げいこ)舞妓(まいこ)に酒注がれ その綺麗さに杯も進まず」

「月光に照らされ眺む時雨亭 高台院の気分味わう」

「四条から歩いて向かう祇園まで 『暑い』『つらい』が響く洛中」

「清水に登ると本尊御開帳 かいた汗には過ぎたご褒美」

「八つ橋を作る苦労をわからされ それでも買わぬだって嫌いだ」刀用軒秋嶽

11.22新規作成

「忘れてた交通法規思い出す  車の走る車校のコース」

「強風に吹かれて思わず首すくめ  気付けばそこは無人の枯野」 刀用軒秋嶽

12.5 新世紀に向けて最後の歌心発揮

    「寒風に吹かれて眠る冬の夜 心の中に炎灯らず」

    「紅葉も見ぬまま迎える新世紀 このまま冬では困る未来は」

12.29新世紀到来を直前にするにあたり正月気分で。

「「新世紀来たり」と人はいうけれど いつもの顔で来たり新年」

「初春を寿ぐ賀状に目を通す  変わらぬ文字にうれし友情」

「雑踏の中で拝んで初詣  神にとどくかどうかは知らず」

正月元旦

「新年を迎え悲しい別れかな  財布の中の福沢諭吉」

「親戚の子らの笑顔は私にか それとも懐にある袋にか」

「初日の出見られぬ代わりに親友の 内儀の顔を拝みにぞ行く」

「大掃除終ったとはいえこの雑さ 正月早々部屋の片付け」

「神棚と変わらぬくらい荘厳し 不智斎様の来臨を待つ」

生誕日を目の前にしつつ

      「新世紀共にむかえた26 齢重ねた気分おこらず」

      「矢口様と共に向かえる誕生日 それが一番のプレゼント」

          正月17日

                  「西国を軒並み倒した大震災 いまだ癒えない傷跡を見る」

                  「北風に吹かれて進む田圃道 押されて橋にぶつかるバイク」

                  「マフラーを巻いて素敵と思いきや むちうちになり苦しんでいた」

          寒い、寒い、寒い

                  「誕生日生まれたその日と同じよに 続く大地白雪が染め」

                  「ストーブの灯油の切れる気配する さりとて布団から出てきたくない」

2月です

「節分に豆もまかずに鬼退治 今年の鬼は迫力がなし」

「寒空をそのままにして春来たり」

「ハムスター起きてる時間長くなり その分飼い主寝る時間減る」刀用軒秋嶽

         2.19

「春のよにうら暖かき窓際で 渋茶をすすり空を眺める」

「両親の携帯電話を取りに行き 日がな一日番号入れる」

3.7モーニング娘。中澤裕子脱退

「野放しの子ども抑えて締めてきた 英傑一人歩み始める」

「惜しいかな最年長者の脱退で 今後の娘。は誰が率いる?」

・・・ゴメンナサイ、これ以上は気持ちがいっぱいになりすぎて詠めません・・・

        3.16

「風の中黄砂とともに舞う花粉 杉檜こそ我が敵かな」

「春の日にその葉を伸ばす曼珠沙華」

「水槽の中で跳ね飛ぶ赤と黒 金魚の鱗日に照らされる」

「ストーブの灯油をいれて風邪を引き」

「首相から『辞める』の『や』の字も聴けもせず」

「古本の埃をはたき中を見る 忘れたはずの漱石一人」

4月です。新年度です。

「異動ありなれぬ仕事に戸惑って 溜まるストレス減らぬお仕事」

4.14コンサートより帰って

浪速(なみはや)の城に流れる中沢に 落ちる涙をただ注ぎけり」

「買いきれぬ土産よそ目に列を出て 財布眺める「あと1万円」」

「ミニモニ。にあわせて踊るコンサート 5曲終れば息も上がらん」

「コンサート終って続く飲み会で 傷つく喉に酒染み渡る」

連休前

「先帝の生まれたる日が緑の日 雨に打たれて木々が伸びする」

「連休の谷間の2日働かん 休み途切れてからだ疲れる」

「森の木が倒れ小さき泉出る 橋もかからず亀も暮らせず」

「蛙の声 闇夜に響く 重い夜」

5.6

                 「煙草の火 見つめて一人部屋の中 煙が染みて目をしばたたかせ」

                 「開け放つ窓の外から見える星 遠き光にただ眺め居り」

「太平になれて崩れる人の性」

「日にあたり浮き沈みするマリモ見て 己が人生それに重ねる」

「曇る空 人の心を 写すよに」

5.24久しぶり

「川の瀬に映る己の顔を見る 歪む姿に心重なる」

「人の世に吹き抜ける風冷たくて」

「三瀬谷に眠る童の顔二つ やさしき父に抱かれて眠る」

「痛む膝 雨の気配を感じさせ」

「水槽の中で舞い行く魚二つ」

「古本屋 欲しい本には手が出せず なけなしの金漫画に使う」

「携帯のメールを待って眠れずに 気付けば朝日枕を照らす」

「日に当たり浮かぶ毬藻をただ眺め 窓の外には彼岸花の葉」

「久々に聞いた塩沢さんの声 在りし日の姿瞼に浮かぶ」

「不智斎の御影を朝晩再拝し 水と線香毎日供える」

「ハムスター夜中2時には走り出し 怒りて見れば既に睡眠」刀用軒秋嶽

6.23

「梅雨空に時折見える陽の光 心の奥まで照らせと思ふ」

「誰が為に 吾はいるかと 瞑想し」

「夫婦岩 光その間を 通り抜け」

「立ち込める 霞の奥に 朝熊山」

7.6

         「織姫の 涙にあふれる 天の川」

      「花火の音 遠くで響く 宵の町」

      「掬い取る 網にあふれる メダカの子」

      「彼岸花 秋に備えて 葉を枯らし」

      「一人寝に 久方に 聞く友の声 あら懐かしと 眠気吹っ飛ぶ」

「雨音に 気付いて起きる 夏の朝」

 

7.13

「子ができた 慌ててみれば メダカの仔」

「田の上を 通りて来たる 熱い風」

「黄金魚 餌に釣られて 夜も遊び」

7.24

「熱風に 押されて入る 屋根の下 夕立待つも 雲ひとつなし」

「鉢植えも 水が待てずに『頼むよ』と 伸ばした葉っぱ下に向けたり」

「エアコンのドライの意味はと問いただす 湿気消えずに 不快が残る」

「彼岸花 秋に備えて 葉を枯らし」

「アマガエル 虫を求めて 部屋に入る」

8月6日

  「広島の 原爆忌にて 瞑目す」

「核の影 未だ消えない 被爆国」

「核の火に 命無くした幼子の 御霊静かに 式典を見る」

「鉢植えの 松も暑さに 首を垂れ」 

8月12日

  「盆前に 慌てて仏壇 綺麗にし」

「初盆の お供え配る 炎天下」

「水不足 よそ目に 庭に水をまき」

「川下に 夕立来たり 無駄な雨」

9月6日

  「遠くより 刈穂の匂ひ 秋近し」

  「秋の田を 離れて来たり 虫の群れ」

  「長雨に 降り込められて 句を作り」

  「黄金魚 餌を求めて 踊り出し」

  「秋雨に 打たれて降りる 鷺の雛」

  「簾から 滴り落ちる 雫かな」

10月1日

                「ヒガンバナ 己の花で 野を焼いて」

           「名月を 杯に浮かべて 一人飲む」

           「北風に吹かれ 鉢植え 身を縮め」

           「天高く 流るる雲に 目を追わせ」

 

       10月28日 多芸にて詠める

           「静かなる 国司の庭に たたずんで そぼ降る雨にしばし打たれる」

           「うす曇る 空の下なり 小京都」

           「旧友に 会いて昔を懐かしむ 歴史への思い 今も変わらず」(字余り)

  「霧山の 城のふもとに 立ち出でば 栄えし昔影さえも無く」

11月17日

           「寒空の上で 真っ赤に燃える月」

           「室内に 漂う煙草の煙を見 その煙たさに しばし目を掻く」

           「一人行く 田舎の道を ひたすらに 見える明かりは自販機のもの」

           「書を読みて 壁の時計を見上げれば 日付も変わり 眠気を覚ゆ」

           「寒風の 吹きすさぶ中 自転車で 走りて向かう CD屋へと」

2002正月元旦

         「初春に 寒風に耐え 初詣で」

         「初日の出 寒さに 雲で厚着をし」

         「大掃除 忘れたところを 見つけ出し」

         「お雑煮を 味噌かすましか 家族割れ」

         「お年玉 迎える子らは 無邪気かな」

4月7日  時期が無茶苦茶(笑)

         「辻元も加藤も辞めて まだ残る鈴木宗男の厚顔無知よ」

         「満開の葉桜の下で 桜祭り」

         「新緑のまぶしく光る 木々の枝」

         「4月から蚊に悩まされ不眠症」

         「花粉症防いだマスクに礼を言い」

         「春一番吹いて舞い飛ぶ 塵の華」

         「春雨に濡れて庭木が目を醒まし」

       ワールドカップ記念の歌

         「我が国と韓国(からくに)がまねく世界杯」

         「青人が赤い悪魔に引き分けて遂に勝ち取る勝ち点1を」

         「日本の勝利に沸いて立つ国内 騒ぎ大きくなるなと願う」

         「日韓がともに進んだ決勝に 涙浮かべて祝杯を挙ぐ」

         「敗退し去り行く日本の魂を 背負い韓国次に進みぬ」

         「韓国も4強までで力尽き『ありがとう』と頭を下げる」

 

久々になっちゃいましたね。

「紅葉を眺めて想う秋の暮れ」

「積まれたる年賀葉書を眺めつつ 必死で写すこの住所録」

「北風に吹かれ舞い飛ぶチラシかな」

「うす雲の向こうに冬の陽を浴びて」

11.24友人の結婚式に

「心友の晴れを寿ぐ秋日和」

「新郎の人生最大の決断に 拍手喝采送る友人」

 3月

           「寒風に押されて走る子ら二人」

           「姥桜風に急かされ散りにけり」

           「スギナの子光に向かって背を伸ばし」

           「卒業の祝いを胸に小躍りし」

      8月までに詠んだ歌を

           「大風に揺られてメダカ酔ひにけり」

           「流汗に明けたる梅雨を恋しがり」

           「打ち水も焼け石に当り湯気になる」

           「陽を避けて小さき蛙うずくまり」

     2003秋から2004年始にかけて

           「名月も雲に隠れて薄明かり」

           「星月も遠くになりし秋の空」

           「年明けて冥土も近くなりし哉」

           「澄んだ気に冷えて紅いか初日の出」

2006.7.3

               「捻じ曲がる椿の枝をへし折って 地に墜つ花を踏みにじりたり」

2007.1    妹、嫁に行く

           「妹の花嫁姿に父が泣き」

           「挙式まで1週間で叔父が逝く 行けぬとわかり義甥(おい)を呼んだか」

2008.4

           「地表から 葉見ず花見ず 姿消し」