とっても清潔好きなスマイルは歯医者さん、いっつも院内ピッカピカ!
そんなにユーリ歯科にアッシュが親知らずを抜きにやってきた!
スマイル「ここですね…おうりゃあ!」
アッシュ「いてえ!」
麻酔も使わず、しかも親知らずじゃない歯をぬかれたアッシュ!
次回!「汚い歯を抜いておきました」親知らずをぬけっつ〜の!

で、小説を書いてみよう♪

 

 街ではほどほどに有名で人気のあるユーリ歯科。そこには清潔好きなスマイルという歯医者が一人で店を経営して

いる。どんな虫歯でも一瞬にして治す。腕は確かだがちょっと性格等々に問題があるとか噂が立っている歯科。そし

て今日も一人、ユーリ歯科に頬を押さえた患者が訪れた。

「―――ここっスね」

 眼の隠れた顔をあげて看板を確認する。

 『お〜ぷん』の文字が書かれた看板がぶら下がっているドアを開けると、噂通り綺麗な待合室が顔を出した。朝早

いせいか、客は何処にも見当たらない。

「どうやら俺だけみたいっスね」

 靴を脱いでスリッパに履きかえる。

「あの……すいませんっス」

「―――はい〜?」

 受付から呼びかけると、少し遠くから返事が返ってきた。そして、数秒ほど待つと白衣を着た青髪の男が顔を出した。

「お客さん?初めての人?」

「はいっス」

「じゃあこれに必要事項書いて。あ、保険証ある?」

「保健所?」

「保険証だって―――あ、ありがとう。アッシュさんだねぇ」

 渡された保険証で名前を確認し、さっさと手馴れた手つきで新しいカルテに文字を記入していく。

「これ、書けたっス」

「はいはい。あぁ、親知らずを抜きたいのぉ?」

「そうっス」

「ん〜。分かった。じゃあ、そっちのドアから入ってくれるかな」

「分かったっス」

 スマイルが奥へ消えていくのを見送る前に言われたドアを開けて中に入る。そこは、やはり噂通り綺麗としか言いよう

のない真っ白な治療室があった。先生が一人しかいないせいか治療椅子は一つしかなく、そのかわりに設備はしっか

りしているのが素人の眼から見ても分かった。

 受付から戻って来たらしいスマイルが手袋をして顔を出す。

「そこに椅子に座ってもらえるかなぁ?」

「はいっス」

 座って背もたれに身体を預けると、スマイルが高さを調節した。

「それじゃあ治療を始めるからねぇ。あ、痛かったら言ってよね」

 と、色々な道具を手にして笑顔で言う。だが、アッシュは何か順番の抜けた治療に悪寒を感じた。

「あ、あの。麻酔は……」

「あーっ。喋っちゃ駄目だって」

「ぐぐっ」

「はーい。そのまま黙っててねぇ。じゃあ、いっくよぉ」

 ドリルが恐ろしい音をたてて唸りだす。

 悲鳴をあげるアッシュなど気にせず、スマイルは少しずつドリルを歯へ近づけていき、

「ここですね…おうりゃあ!」

「いてえ!」

別の手で持っていた歯抜きで勢いよく歯を抜いた。

「あ゛ーっあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ああああああああああああああっ!!!!」

 麻酔なしで永久歯を抜かれて痛いと思わない人間はいない。無理やりスマイルに固定されたまま言葉にならない悲

鳴をあげる。

 そんな事は露知らず、隣りでスマイルは嬉しそうに抜いた歯を見て言った。

「汚い歯を抜いておきました」

 机の上にある皿の上に親知らずではない歯を置き、手袋などを取る。

「あっ。そこのコップに水入ってるからうがいしてねぇ。で、済んだら言って。綿ぐらいはつめてあげるからさ♪」

 虚ろな視線が虚空とスマイルを行き来する。ゆっくりと立ち上がってなんとかスマイルが言っていたコップを見つける

と、アッシュは自分の胸に誓った。

(もうこんな歯医者にはこないっス)

 これを男泣きというのだろうか。うがいするアッシュの頬を一筋の涙が流れた。


 莫迦っぽい(笑)。

 いや、次回予告からして莫迦っぽかったからそのまま莫迦ノリでいったのだが―――どうだっただろう。

 ちなみにユーリは歯医者の名前って事で出番なっしんぐ。

 ま、そんなに怒りなさんな。

 また別ので多分出てくるやろうし。

 03.2.20

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