美女と誉れ高いKK、その花婿の座を巡り血の海と化すA市!
ご町内殺戮合戦を制さんとひた走るベルの前に、血塗れの釘バットを握り締めた親友、MZDが立ちふさがる!!
「MZD!!お前…」
「お前とは戦いたくなかったよベル。だが、相手が誰だろうとKKだけは渡さん!」
「MZD!!!」
麗しのKKにガラスの靴を履かせるのはどっち!?
次回予告、「王子様はヴァニラのかほり」乞うご期待!!

―――を書き換えて。

美女と誉れ高いベル、その花婿の座を巡り血の海と化すA市!
ご町内殺戮合戦を制さんとひた走るKKの前に、血塗れの釘バットを握り締めた親友、MZDが立ちふさがる!!
「MZD!!お前…」
「お前とは戦いたくなかったよKK。だが、相手が誰だろうとベルだけは渡さん!」
「MZD!!!」
麗しのベルにガラスの靴を履かせるのはどっち!?
次回予告、「王子様はヴァニラのかほり」乞うご期待!!

で、小説書いてみよう♪

 

 全ては何が悪かったのだろう。今となっては、その諸悪の根源すら思い出せない。

「くそっ!」

 手にしたゴルフクラブに付いた血が辺りに飛び散る。足元には息絶えた、ついさっきまで

友達だと思っていた人間の慣れの果て。

「一体―――どうしてこんな事になっちまったんだっ!?」

 問い掛けるが死体は答えてはくれない。

 A市。別にそれと言って有名な場所でもなく、年がら年中静かに月日を過ごしているそん

なちょっと田舎の街。だが、一人の少女がこの街に引っ越してきてから全ては狂いだした。

少女の名前はベル。フランスの令嬢らしい彼女は、街の外れにある屋敷で使用人達に囲

まれて生活を始めた。その美しさは言葉にできるものではなく、街中の男達は皆して彼女

の心(ハート)を自分のものにしようとし、何人もの無謀な挑戦者が屋敷へと乗り込んだ。しか

し、ベルは誰の交際も受け入れようとしなかった。

 そんなある日、ベルがこんな事を言い出したのだ。

『私、強い人が好きなの―――そう。親も兄弟も親友も、全てを踏み潰して頂点に立つよ

 うな男が好き。そうね。この街で一番強い男となら交際を考えてあげなくてもないわよ?』

 それが、悪夢の幕開けだった。


 KKは別に他の男達とは違ってベルには一切興味が無かった。女に興味がないというと

色々と問題かもしれないが、性格がお高くとまっているところや、令嬢という肩書きが嫌い

なだけだ。

「けっ。あんな女の何処がいいんだか」

 最初はそう思っていた。だが、それから数日後に彼の考えは百八十度反転した。

 ある空がよく晴れた日。KKは特に目的もなく街外れの山の中を歩いていた。ただ衝動

的にそうしたいと思ったのだから、他にいいようがない。その山の中にベルの屋敷がある

という事をKKは欠片として知らなかった。

「―――ん?」

 山に入って数分も経っていない頃だっただろうか。少女の泣き声がしたような気がして

KKは足を止めた。そのまま声のする方へと歩いていくと、そこには噂のベルが膝を折っ

て泣いている姿があった。

(やっべぇ)

 最悪な場面に遭遇してしまったと思った。女の涙ほど厄介なものはない。相手がまだ付

いていないのをいい事にKKはそのまま逃げようとした。

 だが。

「!」

 足元で小枝が音をたてて折れた。

「誰っ!」

「―――悪ぃ」

 見つかってはこのまま逃げるわけにはいかない。頭を掻きながら顔を出すと、ベルは驚

いた顔をしてみせたが、何故か安心したように笑みを漏らした。

「よかった」

「ん?」

「屋敷の人かと思ったから」

「―――逃げてたのか?」

 そんな気がして聞いてみた。

 金髪の綺麗な少女は涙を浮かべた瞳を擦ると首を横に振った。

「ちょっと、違う」

「どう違うっていうんだ?」

「独りに、なりたかったの」

 初対面だというのに、ベルは胸のうちを全てKKに吐き出した。みんなの前では父親の

命令で嫌なお嬢様を演じている事、そして自分は養女だという事、自分の今の親は名前

と金だけが欲しかったんだという事を。

 そう長い話ではなかった。全て聞き終わってから、KKは自分が今まで知っていた偽物

のベルは嫌いだが、ここにいる本物のベルは好きかもしれないと思った。

「ありがとう、話を聞いてくれて」

「俺でよければどんだけでも聞いてやるさ」

「―――ありがとう」

 それから二人は何度か顔を合わせたが、偽物のベルの交際者発言後、もう一度言葉を

交わすどころか、会う事すら危うくなった。


「はぁ……はっ……っ!」

 ついさっき襲い掛かってきた男が持っていた凶器は運悪く出刃包丁だった。なんとか避

けたものの、腕には皮が切れた怪我が増えている。

 この街から女、子ども、老人は出て行った。自分達の身を守る為だ。ここに残っている

のは男だけ。

「ベル―――待ってろよ」

 クラブを握り締める手に力がこもる。

 別にベルと交際したいなどとは思っていない。だが、殺さなければ自分が殺されるし、そ

して何より彼女を助けたいと思った。

 全ては偽善か何かかもしれない。それでも自分は死ぬわけにはいかない。

「!」

 壁を隔てた向こう側から悲鳴が聞こえた。また一人、誰かが死んだのだろう。

(って事は、勝った方がこっちに来るって事か)

 戦闘体勢に入り、いつでも相手をぶちのめせる準備をする。

 影が顔を出す。

「あ、KK」

 姿を現した男はまるで朝の挨拶のように言った。

 血塗られた服、紅色で染められた髪、手には凶器の釘バット。いくつもの修羅場を乗り

越えた彼は不気味にも微笑んでみせた。

「お前も参加してたんだな、やっぱ」

「―――MZD―――」

 親友の変わり果てた姿にKKは言葉が見つからない。

「MZD!!お前…」

「お前とは戦いたくなかったよKK。だが、相手が誰だろうとベルだけは渡さん!」

「MZD!!!」

 KKの叫び声も虚しく、MZDが地面を蹴った。

「くっ」

「悪ぃけどさ―――死んでくれよ。俺の為に」

「誰がてめぇなんかにっ!」

 釘バットを払いのけ、相手がよろけたうちにクラブを振る。

『よっ。KK!』

 脳裏を過ぎる、笑顔のMZD。

「―――どうしたKK?」

 MZDの声で気付くには全てが遅かった。

 振り損ねたクラブが弾かれ、大きく円を描いて吹き飛ぶ。丸裸になったKKの腹部に釘

バットが突き刺された。

「がはっ!」

「命を賭けた戦いの途中で考え事か?俺も甘く見られたもんだなぁ」

 無表情で呟き、バッドを手の中で回転させる。

「ぐっ。がっ…はぁ、つっ」

「痛い?そりゃ痛いだろうなぁ。多分、胃とか腸とか内臓とか。ま、あんま詳しい事は分かん

 ねぇけどさ、色々と腹ん中の物がねじれてるんだろうからな」

 苦痛に歪む元親友の顔を見下ろしながら笑みがこみ上げてくる。そんな自分はもうイカレ

てしまったのだろうと納得した。

(悪ぃな、KK)

 口元だけの悲しみ。

(俺は、死ぬわけにはいかねぇんだ)

 血塗れの手は、新たに色を塗り替えた。

 

こんな感じでどうでしょうか?

KKの武器、最初は銃にしようかと思ったんやけど、純粋にゴルフクラブなどにしてみやした。

うん、この方がしっくりくる。

じゃが―――クラブと釘バットではどっちゃの方が強いのだぎゃ?

 

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