都内某所。

 MZDが園長を務める「POP’N幼稚園」は今日も騒がしい。

 

 小さな園児達が元気良く騒ぐのが幼稚園。

 いっぱいの友達と遊ぶのが幼稚園。

 そして、怒られて成長するのが幼稚園。

「六君。昨日、あたしが言った事を覚えているかしら?」

 幼稚園支給のピンクのエプロンがこれ以上と似合わず、いつ見ても笑いたくなる服装の彼女が、やはりいつも通り

恐い剣幕で園児を見下ろしている。

 視線の先の先の少年、六は可愛くない逆三角眼でキッと彼女を睨み返している。

「おぼえてるけど?」

「そぅ。じゃあ言ってみなさい。今すぐ、昨日あたしが言った事を、一字一句間違えずにね」

「いやだ」

「ほんとに可愛くないわね、貴方は。ねぇ、ヒグラシ君?」

「え?―――ヒッ!?」

 名前を呼ばれて黒縁眼鏡の少年が振り返ると、目の前にあるのは鬼の仮面をかぶった先生と彼女が突き出した

小型銃。

「ヒグラシ君なら覚えてるわよね?昨日、あたしが何て言ったか、言ってくれる?」

「あっ、えっ、えとっ……かっ、かたなを、はさみのかわりに、つか、うな―――て」

「そう。ありがと、ヒグラシ君。お絵かきの続き、してていいわよ」

「は、はい」

 許可が下りたのはいいが、これ以上そんな危険な場所で呑気に絵を描いていられるほど彼は神経が太いほうじゃ

ない。急いで荷物をまとめると、そそくさと教室から駆け出していった。

「あー。またいっちまったな、ひぐらしのやつ」

 隣りの机で同じくお絵描き中だったユンタがヒグラシの背中を見送って呟く。

「あいつもさいなんだよなぁ」

 と、彼に相づちをうったのは雷舞。手にはしっかりと折れたクレヨンが握り締められている。

「いくらひぐらしがろくとなかがいいからって、えむぜっとでぃえんちょうもひどいくらすわけするよな」

「ほんと。あいつはふつうならゆりぐみだろ?」

「ま。おれとしちゃどうでもいいけどさ」

「そうそう。おれたちにはかんけいないことだし」

 白い画用紙にぐりぐりとカラフルなクレヨンを押し付けて、お世辞でも上手とはいえない絵を描いていく。

「さて、六君?」

 不気味なまでに優しげな声に笑み。しかし、そんな作り物の表情に六は騙されない。

「いやだ」

「どうしてそんな事を言うのかしら?」

「かたなはぶしのいのち。つねにいつもおれのそばにないといけないんだ」

「だからって刀で折り紙を斬る必要はないんだと思うけど」

「はさみなどのかとうなはものでものをきるなど、おれにはできない」

「へぇ」

 ハンマーが音をたててあがる。

「もう一度言うわ。今度こそ、紙を切る時はハサミで切りなさい」

 小さな金属音に気付いて園児達が周囲の玩具を片付け、臨時避難所と称した長机を倒した後ろに身を潜める。

「はじまるYo」

「そうだな」

「きょうはどっちがかつとおもう?」

「さぁな」

 園児達が見守る中、戦いの火蓋は―――斬って落とされた。

「いやだ」

「いい加減にしなさいっ!」

 いつも通りMs.Bのコルト25オートが火を噴き、威嚇程度の乱射が行われる。だが、六はそれを全て流した。

「ふっ、はっ、たぁっ!」

 鞘から抜かれた刀は妖しげな光を放ち、目にも止まらぬスピードで銃弾を叩き落す。

「あまいっ」

「そう思うなら、あんたもまだ甘ちゃんねっ」

「―――すごいでござるな」

「そうでござる」

 二人の争いをいつもの事ながらヨシオとアカが机から頭を出して覗き見をする。時々頭の上や横を打ち返された銃

弾が飛んできたりするが、それが恐くて忍びになれるかとユンタ達に答えて日夜覗き見に精を出している。

「せっしゃたちもあんなたたかいをしてみたいでござるな」

「そうでござる」

「ならさ」

 机の隅で静かにしていたレイヴガールがゆっくりと口を開く。

「あんたたちもはいってきたら?あのたたかいに」

「えっ?せっ、せっしゃは、えんりょしたいでござるっ」

「せっしゃもでござるっ」

「ふぅ―――おとこのくせにいくじなしなんだから」

「おまえのばあい、おとこよりつよすぎなんだYo」

「うるさいよ、ゆんた」

「そうそう。こんなおとこおんなはむししたほうがいいって」

「らいぶ。あんたもだまってないと」

 壁になっていた机を微かに斜めにする。すると、今まで塞がれていた銃弾が流れ込んできて雷舞の顔の真横で停

止する。

「はちのすにするよ」

『―――おおこわっ』

 繰り広げられる戦い。その終止符を打つのは、最終的には騒ぎを聞きつけたMZD園長か適当な教師。それまで

この戦いは続く。

 

 都内某所。

 MZDが園長を務める「POP’N幼稚園」は今日も騒がしい。

 

 おまけ。

「ひぐらしくん。またきたの?」

「はい」

「ってことは、またびぃせんせいと」

「ろくくんです」

「あのふたりもよくあきないねぇ。ひっひっひっ」

「おろかものめが」

「ひぐらしくんもさいなんだよね」

「さいなんー」

「んー」

 今日もユリ組にバラ組の生徒が一人。


やっと書いたさ、Ms.Bクラス(笑)。

いやぁ、ほんとにただ六とBを喧嘩させたかっだけの小説。

うん、ちなみに今のところ考えられるバラ組の生徒は六、ユンタ、雷舞、ヨシオ、シノビアンアカ、そしてレイヴガール。

いや、一人ぐらい女の子欲しいなぁ思うて。

ちなみに、弟のPOP’Nキャラでガラ悪い奴誰やって聞いたら即答でフォースと答えてくれやした(笑)。

うん、よく考えたらミラクル4の奴等ってみんな武器持っとるからこのクラスでもよいんよな。

よし、今度書くか。

03.1.7

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