具顕さんの全く解らない神道講座

ご存知の方はご存知ですが、具顕卿は神社本庁明階の資格を持っております。そこで卿が意味もなく思いつきで神道について語ります。

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31.お札、お守り

さて、新年を迎えました。年末になると氏子総代さんが、氏神様のお札を配ります。交通安全のお守りなんかもお受けするかもしれません。今回はお札のお話をしてみようかと思います。

お札というものは当然古代神道においては存在しません。大陸から仏教や陰陽道が入ってきてその影響から出来たものでしょう。大概の場合「○○神社神璽」と書いてあって真中に神社の印が押してあると思います。通常は神棚にお祭りしたり、三方荒神なら竈のところに張ったりしますし、玄関先に張ったりします。伊勢神宮の場合は特に「神宮大麻」と言います。大麻というと何かよくない薬のようですが、別に危ない事も何にもなくほかの神社と違うものでは有りません。何で大麻なんて今の世の中には物騒な名前がついたかと言えば中世に御師が檀家の要請を受けて神宮に取り次ぎます。そのときにどれだけお祓いしたかというのが聞かれるんですね。当時は多ければ多いといいと思われていましたから(今でもそうですけどね)「千度祓え」とか「万度祓え」とか言うようにお払いするのです。そのお祓いをした証しとしてお払いの時に使った麻を証拠に渡すのです。これが神宮大麻の始まりです。ですから神宮大麻を分解してみると一番中は細い板に麻が巻きつけてあります。何かの機会が有りましたら見てみてください。これらは神様そのものでなく神様を拝む時の道しるべみたいなものです。

一方、お守り。皆さんも一生に一度は持った事があると思います。要は携帯用のお札です。大抵袋に入ってます。お札と違って「交通安全」「安産祈願」とか個別な物が多いです。これも陰陽道とか仏教の影響をモロに受けているものですね。

最後にお札のまつり方を記しておきます。三社違いの神棚を持っている家は真中に神宮大麻、向かって右に氏神様のお札、左側に自分が崇敬する神社のお札をお納めします。一社の神棚の場合は手前から神宮、氏神、崇敬神社と言う風に並べます。

 

 

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